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気候変動と再生可能エネルギーへの移行 — 日本が抱えるジレンマとは

本記事はスイス再保険会社とのタイアップ記事である。 はじめに日本の商社やエネルギー関連会社は過去何十年にもわたり、石油、石炭、天然ガス、そしてウランの国内需要を満たすために海外事業に力を入れてきた。1973年度には、日本のエネルギー資源の化石燃料への依存度は94%であり、その99%を海外からの輸入に頼っていた。今日でもこの状況にさほど違いはない。化石燃料への依存度は依然として高く、国内エネルギー供給の85%が化石燃料により賄われている。一方、再生可能エネルギーの割合は、2010年度の9.5%より上昇したものの、2019年度において18.5%に過ぎない。気候変動がますます深刻さを増すなか、先の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では、産業革命後の気温上昇を2度以内に抑える、いわゆる「2度目標」の重要性が強調された。これを受けて日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを表明した。達成に向けて、まず2030年度に温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%削減することを目指すとした。この目標は日本の化石燃料への高い依存度を考慮すると達成困難な課題だといえる。意欲的な目標値を背に、排出量実質ゼロを達成するにあたって日本が直面している3つの重要な課題をここに挙げたい。 1. 複数のエネルギー源を組み合わせながら需給バランスを保つ必要がある 電力の安定供給はこれまで、予測に基づいた発電量の調整と供給予備力によって保たれてきた。出力が不安定な再生可能エネルギーを増やすことで、電力需給バランスが崩れてしまう可能性がある。 加えて、電力供給のピーク時間帯と電力需要のピーク時間帯が異なるという問題もある。つまり、再生可能エネルギーはピーク時の電力需要に対応できないかもしれない。 2. 自然災害の多い日本ならではのリスクを考慮する必要がある 自然災害大国の日本では再生可能エネルギーの普及にあたって、災害リスクを十分に考慮する必要がある。第一に、再生可能エネルギー設備や原子力発電所が自然災害により甚大な被害を受けた事例がある。巨額の建設費用や土地確保の難しさに加え、こうした災害による投資リスクにより、民間からの資金調達の難易度が上がってしまう。 そのほかに、自然災害は再生可能エネルギーへの移行を活発化させる面もある。再生可能エネルギーへの移行は地政学的な要因によっても推し進められるが、洪水や台風などの気候変動により引き起こされる自然災害が頻発することで、環境を考慮したエネルギーへの移行を急ぐべきだという考えが高まることがある。特に災害の直後にはそうした世論が高まり、再生可能エネルギーの普及を推進する政策が求められる。 3. 原子力発電所や再生可能エネルギー設備に対する国民感情を考慮する必要がある 化石燃料からの移行を実現するためには再生可能エネルギーや原子力発電を増やす必要がある。こうした設備は社会的に必要なものではあるものの、もしも自分の家のすぐ近くに建設されることになったら賛成するだろうか?「うちの近くには勘弁。」こうした個人レベルの意識が日本の実質ゼロの実現を阻んでいるのかもしれない。

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